桜花賞・皐月賞トライアルがひと段落
3月末となり、春のG1戦線が開幕。いよいよクラシックも始まるぞ、という季節になってきました。競馬ファンにとってはとても楽しみな時期ですね。
そんな季節ですので、POG仲間で血統好きの友人、玄野さんと座談会を行いました。
- 名前:玄野源(クロノゲン)
- 由来:牝馬として史上初のグランプリ3連覇を果たした女傑より拝借
- 競馬歴:7年(2015年~)
- きっかけ:マイルチャンピオンシップ(優勝馬モーリス)を現地観戦し、競馬にハマる。
- 血統の道:『サラブレッド配合史/笠雄二郎』『血は水よりも濃し/望田潤』に感銘を受け、血統・配合の道へ。競馬好きが高じて某牧場へ転職、一人前のホースマンになるべく現在修行中。
※シオノゴハンとはおそらく2015年から交流が始まっている
桜花賞・オークス、皐月賞・日本ダービーの話をすでに撮り終えているので編集が終了し次第それぞれでしていければと思っています。よろしくお願いします。
私も玄野さんも血統派ですが、分析の方向性は結構違います。
文面ではなかなか伝えきれないとは思うのですが、こうした違いも含めてお届けできればと思います。
クラシック座談会 ご案内と注意書き
座談会の様子は、ゆっくりの自動音声にて動画にもしています。トーク形式でご視聴いただけますので、ご視聴くださいますと幸いです。
この座談会では、本命・対抗・単穴といった、馬券予想的なものが含まれますが、的中を保証するものではなく、我々個人の見解です。馬券の購入はご自身の判断にて実施くださいますようお願いいたします。
我々は栗山さん・望田さんのブログや書籍で血統を学んでいます。ぜひそちらもお読みください。
桜花賞・オークルの路線や出走ボーダーライン
- 桜花賞とオークスでは、桜花賞のほうがボーダーが高い
- 桜花賞トライアル終了まで牝馬重賞は1600mまで
- 桜花賞トライアル以降に1800m以上の牝馬重賞がある
- マイル路線を歩み、実績を残した馬が桜花賞に進むのでボーダーが高まりやすい
- 逆にマイル路線の馬がオークスに進まないため、オークスはボーダーが下がりやすい。
近年は特にマイラー牝馬がNHKマイルに進む傾向が顕著
メジャーエンブレム・アエロリット・グランアレグリア・レシステンシアなど。
- 収得賞金1000万円あれば、出走できる可能性が高まる。
- 新馬・未勝利戦+OP以上勝ちor重賞2着以上で1000万超
- 900万でも出馬は可能だが、成果は出ていない傾向。
- 世代の上位層相手にレースし、実績を残せる能力が必要。
- 能力的な目安としても1000万は1つのボーダーライン。
収得賞金1000万以上はクラシック全体に言えること。
900万円(新馬・未勝利+1勝クラス勝利)の条件でクラシック好走馬は、近10年では
2016年オークスのビッシュ、2021年オークスのハギノピリナの2頭のみ。
桜花賞は路線的にもこれまでの流れを踏襲している。
・阪神JFやチューリップ賞で好走している馬
・小回り、内回りのみでの実績は割引
・馬格あって、力強いタイプが良い
桜花賞の本命馬
ナミュール
- 魅力
- 勢いのある牝系。
- 中距離×マイラーで引き締め要素が良い。
- チューリップ賞で良績があり、実績的に期待できる。
- ハービンジャー×Never Bendのフランス的なキレ味に期待。
- 懸念
- 馬格が小さい。
ナミュール
- 魅力
- 日本古来のスピード牝系出身&近年の勢いも目覚ましい。母の仔出しも良い。
- 中距離×マイラーで引き締め要素が良い。
- ハービンジャー×ダイワメジャーは勝ち馬率50%のニックス。ダイワメジャーの黄金配合を満たす要素が充実。
- レースぶりも抜群。
- 懸念
- 中身は充実しているだろうが、馬体が大きくなってきていない。
ダイワメジャーの黄金配合は
①Halo的な要素の強化
②Pretty Polly(Donatello×Hyperion)的スタミナの強化
③近い代に本格派中距離血脈の注入
上記3点がポイント
ハービンジャーはそのすべてを満たすので成果が出ているのではないか
馬体的な成長が見られない点が懸念点。
桜花賞の対抗評価
プレサージュリフト
- 魅力
- 祖母が北米G1で2着経験ある重賞馬。母・半兄はスプリンターとして活躍。
- 中距離の父×スプリンターの母で長短のバランスが良い。
- 東京で33秒3のあがりを記録。Nureyevが良いのではないか。スピードの絶対値+持続力は高い。
- 懸念
- マイラーではない。
サークルオブライフ
- 魅力
- 4代母Great Lady Mの一族からはビリーヴ・サウンドキアラなど。力強さとスピードがある牝系。
- 中長距離の父×スプリンターの母で長短揺り戻しの好バランス。
- しなやかさだけを刺激する配合。Great Lady Mがそれを引き締めている。
- 懸念
- もまれ弱いので内枠の場合は割引。
サークルオブライフは
①サンデーサイレンスの4×3
②Sir Gaylordの6×6
③マルゼンスキー≒Caerleonの5×4×5
を持っていて、しなやかさを強調した配合。
ゆるゆるで競馬にならない配合に見えるが、Great Lady Mがいるから成立している。
かなり薄い確率を運命力で引き当てたようなもので、全きょうだいはこうはならないのではないか。
プレサージュリフトは
Nureyevの血が入るハービンジャー産駒。
ブラストワンピース・モズカッチャン・ディアドラなどもNureyevが入るハービンジャー産駒。
これが良いキレ味の理由ではないか。
馬格も十分ある。とはいえ、オークスのほうが適性は向きそう。
桜花賞の単穴評価
ラブリイユアアイズ
- 魅力
- Sadler’s Wells・Danzigの血は桜花賞と好相性な血で、その両方を持つ。
- サンデーサイレンスとHaloのクロスが充実。機動力に富んだ器用さとスピードが期待できる。
- 阪神JFで2着と実績も十分。
- 懸念
- 大箱マイルタイプというわけではない。
ナムラクレア
- 魅力
- 3代母Coup de Genieは名種牡馬Machiavellianの全妹という名血。バゴなども出ている。
- ミッキーアイル×Storm Catはニックス。
- 促してからの反応は大きいところでの活躍を期待させるには十分なものを持っている。
- 懸念
- 二の足が早いタイプではなく、位置取りに不安
ナムラクレアはHalo的スピード+母系の底力が魅力。
ミッキーアイル×Storm Catは勝ち馬率41.7%
全体では33.6%なので、ニックスと言える。
牡馬か牝馬かで産駒の傾向が大きく異なるのがミッキーアイルの特徴で、牡馬はダート、牝馬は芝、というくらい傾向がはっきり分かれる。
ラブリイユアアイズは器用なタイプでレース巧者。
血統的な相性も良さそうで、本番でも好走する可能性が高いのではないか。
人気サイドの馬がレース運びに条件がつくタイプが多く、阪神JFの再現のようなレースになれば、ラブリイユアアイズに向くのではないか。
連下
- 連下
- サークルオブライフ
- サブライムアンセム
- ラズベリームース
- 連下
- サブライムアンセム
- ラズベリームース
- ウォーターナビレラ
- プレサージュリフト
ステルナティーア(出馬せず)- ベルクレスタ
- スターズオンアース
ナミュール、サークルオブライフも鉄板とまでは思っていないので、単穴、連下の馬でもチャンスはあるかなと。
サブライムアンセムは1600mのほうがあいそうだが、適性が向いたとしてどのくらい通用するかは微妙なところ。
パフォーマンスの上げ下げはあれど、上がったうえで上回るかどうか、というのは難しいところではありますね。
アネモネ組のラズベリームースはオークスでも期待したい。
桜花賞の本命馬
- 本命
- ナミュール
- 対抗
- プレサージュリフト
- 単穴
- ラブリイユアアイズ
- 連下
- サークルオブライフ
- サブライムアンセム
- ラズベリームース
- 本命
- ナミュール
- 対抗
- サークルオブライフ
- 単穴
- ナムラクレア
- 連下
- サブライムアンセム
- ラズベリームース
- ウォーターナビレラ
- プレサージュリフト
- ステルナティーア
- ベルクレスタ
- スターズオンアース
個人的には中長距離路線に結構おもしろい馬がいると思うので、オークスの方が楽しみ。マイラー路線は、本格派マイラーというタイプが少ない印象ですね。
我々の対抗評価以下の馬はみんなマイラータイプではないですしね。そのあたりからも、今年は中距離、という感じがしますね。
以上、桜花賞編のまとめでした。ぜひYouTube版もご視聴くださいますと幸いです。