シルク募集馬配合分析 (外) ジェットセッティングの20
No.74 ジェットセッティングの20 牡馬 3月26日生
父 | Showcasing ショウケーシング |
母 | Jet Setting ジェットセッティング |
厩舎 | 栗東 安田隆行厩舎 |
一口価格 | 100,000円 |
配合からの期待度:重賞クラス
2番仔です。上にはデビュー前の半兄(父Le Harve)がいます。母ジェットセッティングは愛国4勝、日本の桜花賞に該当する、愛1000ギニー(G1・牝馬限定・1600m)を制しています。一族からは大物が出ているわけではありませんが、ファミリーナンバーでいうと12号属に属します。たどるとGlorious SongなどのBallede牝系と同じなのですが、この馬は12-eなので12号属の中でもマイナーな一族の出身です。
ジェットセッティングの20の血統表
○外ということもあり、データ分析は行いません。Danzig系の二大系統Green Desert系×デインヒル系の組み合わせという、日本国内ではなかなか見ることができない配合です。
父ShowcasingはジムクラックS(英G2・芝1200m)を制しています。G1勝ちはありませんが、産駒からは2021年現在G1馬が3頭出ています。欧州の短距離からマイルで活躍する産駒が多く、スピードに長けた種牡馬だと考えられます。祖父Oasis Dreamも同様で、短距離からマイルをこなす重賞馬を多数出しています。
ShowcasingはOasis Dreamを通してSir Ivor≒Droneのニアリークロスを持ちます。このニアリークロスは日本の高速馬場に好相性で、日本的なスピードを獲得するうえで必要な要素となります。ここにZafonicを通してSecretariatとTom Foolの血を引くことでスピードと柔らかさを持っていると考えられます。Mill Reefも入るため、Princequilloの血も結構入ります。
母ジェットセッティングもZafonicの血を引き、かつヨハネスブルグを通してStorm Catの血を持ちます。Zafonicの父Gone WestはMr.Prospector×Secretariat、Storm CatはNorthen Dancer×Secretariatです。Gone Westの母SecrettameとStorm Catの母Terlinguaは父Secretariat以外の要素もMenow(Tom Foolの父)とTeddy(Bull DogとSir Gallahad)が共通しており、かなり似た要素を持ちます。Bold RulerとPrincequilloに加えて米国スピードであるため、軽くスタート直後からガンガン行けるトップスピードと加速力を産駒に伝えるイメージです。母ジェットセッティングはこのような要素を持っていたため、芝1600mでG1勝ちができたのではないでしょうか。
父Showcasing×母ジェットセッティングだと、Zafonicの3×4のクロスが発生します。これによって、Secrettame ≒ Terlingua の 5S×6D×6Dのクロスが生じ、軽いスピードを受け継ぐ素地ができます。Mill Reefの5×5も発生し、Never Bendの6S×6S×6Dも生じます。Mill ReefによるPrincequillo的柔らかさと、Never Bendの母Lalun的なパワーを同時に受け継ぐ形になると考えられます。全体的に柔らかく緩くなっている印象が強いです。
ただ、同時にDanzig・Lyphard・The Minstrel・Storm Cat・NureyevによるNorthen Dancerの多頭クロスが発生します。DanzigとLyphardについては、それそのものクロスも発生します。特にDanzigやデインヒルは晩成の緩めの血統に掛け合わせることで、成長を促進し、早期に活躍できる馬を出す効果を持つ血です。Bold Ruler・Princequilloの軽くて柔らかいスピードをNorthen Dancerの多頭クロスで引き締め成長を促進するイメージでしょうか。
馬体を見ると、まだ成長途中という印象で、まだ少し大きくはっきりとしそうな印象を受けます。Haloと呼応する血が多いことから、国内レースで成果を出し、種牡馬入りできればかなり楽しみです。厩舎も安田隆行先生のところで、この馬の適正ともばっちりあいそうです。
まとめ
- 母G1馬
- 日本で通用しそうなスピード血統とそれを生かせる厩舎が魅力
- ○外なので、内国産馬所有奨励金が出ないのはネック
内国産でないので、それが回収を考えると結構痛手ですね。優先抽選券の使用候補で、抽選であてに行くならこの馬になる可能性が結構あるなあと思っています。(外国産馬は優先抽選があまり使われない傾向があるため)
安田先生は53年生まれなので、2023年に定年ですね。3歳までは見ていただけるものの、その先は転厩となります。それも頭によぎりますね。悩ましい1頭です。
分析の際の参考図書
一口出資馬やPOG指名馬を考える際、手元にあるととても参考になる書籍です。