【櫻の園 (白泉社文庫) 著:吉田 秋生】

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富士に至れ no.10

今回で10回目になりました、富士に至れ。そして、これを最終回にします。
ここまでお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

私が思っていた以上にご覧いただけていること
ご覧くださっている方がいろんな方面からお越しになっていること

これらの理由から、読書体験や見たものや感じたもの、試した見たものなどの感想やレビューをまとめたり、自分の考えをまとめるブログを別に設けることにしました。

当初の想定からはだいぶ変化しましたが、読んでくださる方々のおかげで、やってみたいことが生まれました。
どうもありがとうございました。
新たな場はまたご案内しますので、お付き合いいただけますと幸いです。

直近の更新は以下の2本です。

櫻の園

「櫻の園」は吉田秋生さんの著作です。

著:吉田秋生
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私は海街diaryで吉田秋生さんを知り、BANANA FISHにも強い衝撃を受けました。
海街diaryは連載中に読んでいて、その時に祖父母を亡くしていて、この作品にかなり救われました。
人の心の機微を繊細に、そっと表現されているように私には感じられました。

櫻の園は海街diaryやBANANA FISHより以前に吉田秋生さんが連載されていた連続短編集です。

女子高校の演劇部に所属する生徒たちの物語です。
学生時代は体育会で、就職後も営業職で男性集団の中で生きてきましたから、縁遠い世界観です。
そのため、わからないこともたくさんありつつ、だからこそ面白いと思いました。
そして、そんな風になっていたらいいな、と思うような場面もありました。

同時に、ジェーン・スーさんのエッセイを読んだときと同様に、異なるシチュエーションで同じ気持ちになったことがあり、そうした場面を超えた共感を覚えるシーンもありました。

共感をテーマに書いてきたわけではないものの、このシリーズでは共感を扱うことが多かったと思います。
同じ場面に遭遇しても、同じ感情を覚えるとも限らず、
同じ感情を覚えても、まったく異なるシチュエーションでその感情が芽生えていることもある。

喧嘩なんかは割とそういうことなんだろうな、と思います。
片方にとっては怒り心頭であっても、もう片方にとっては理解ができない。
同じものに対して同じように怒ることが、価値観の一致のようでもあり、わかってもらえないことに一層怒りが増す。

そういう悪循環で身近な人間同士でも喧嘩するんだろうな、と思います。
この人は怒りをそこに感じるんだな。
怒りという感情はわかるが、自分はそこで発露しないな。
でも、自分が怒るときの感覚はわかるし、としたらば相当なことが起きている、とはわかる。

うまく整理できませんが、読書での追体験に伴う共感を通して、感情だけの共感という感覚が自分の中でしっくりきています。
場と感情の両方で共感できると本当はすごくいいんでしょうけれど、それだけに絞っていくと社会人生活においては難しい。
もちろん、私生活、とりわけ一番近しい関係の方々はそこを探していった方が良いのだと思います。

こと社会人生活においては、感情の共感と、それの発露場面に見る適所探しや、適した伝達表現選択などが大事なのだろうなと思います。
会社員なので、4月になればまた環境が変わります。そこで試していきたいところですね。

まとめ

櫻の園は、ぜひこの時期に読んでいただきたい本です。
以前にも読んでいたのですが、ここまでの読書の流れや時期的なもので改めて読んで、とても良かったです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。また別の場所でよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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