インゼルサラブレッドクラブ 2022年度募集
インゼルサラブレッドクラブの2022年度先行募集も締め切りまであと約1週間となりました。ここまで、全頭の血統や馬の姿や歩様から分析を行ってきました。
今回はその内容を抜粋しながら全頭まとめを作りました。
本分析は募集馬の活躍を保証するのものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にご決断ください。また、私の主観による分析ですので、読者の望まない表現が出てくる可能性もございますが、ご了承ください。
募集馬概要 マーブルカテドラルの21
- マーブルカテドラルの21
- 父:エピファネイア
- 母:マーブルカテドラル
- 母父:ダイワメジャー
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年3月27日
- 母10歳時の産駒
- 所属予定:栗東 松永幹夫厩舎
- 生産:社台ファーム
- 募集総額:3,500万円
- 一口価格:70,000円
- 大箱マイル~中距離に適性がありそう
- クラシック路線で活躍する父エピファネイア
マイルの王道路線で活躍した母と母の父ダイワメジャー
牝馬路線の王道的配合
- クラシック路線で活躍する父エピファネイア
- Sadler’s Wells = Fairy King の全兄弟クロスを持つ
- 引き締める要素としてSadler’s Wellsのクロスがある馬が活躍傾向
(ただし、母の父ディープインパクトで顕著な傾向) - Fairy Kingとなったことで、よりマイル方向に適性が向いている
- 引き締める要素としてSadler’s Wellsのクロスがある馬が活躍傾向
- 父中距離・母マイルの好バランス
母マーブルカテドラル、祖母ヘルスウォールは共に大箱のマイルで成果を残した競走馬。ダイワメジャーも筋肉質で、産駒にはマイルで活躍する馬を多数輩出しています。エピファネイアの中距離的な柔らかさを補う意味で、この組み合わせは魅力的に映ります。
母の配合で見ると、ダイワメジャー×Sadler’s Wellsはアドマイヤマーズやメジャーエンブレムが出ているニックスで、Sadler’s Wellsの半弟のFairy Kingを持っているのは好配合だと考えられます。母好配合で、隙がないところに、エピファネイアですから、この隙のない配合だと思います。
シンボリクリスエスがNorthern Dancerを持っていないことで、その他の部分でNorthern Dancerが濃くなっていても、抜け道があり、そのバランスもとれているのも魅力的です。
マイル的なイメージの血統ですが、薄めの馬体とバランスの良い身体をしていて、マイルだけです、という感じは受けません。中距離もこなしてくれるのではないかと期待ができます。
厩舎も牝馬育成に定評のある松永幹夫先生です。とても楽しみな1頭ですね。
募集馬概要 レトⅡの21
- レトⅡの21
- 父:エピファネイア
- 母:レトⅡ
- 母父:Diesis
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年4月28日
- 母18歳時の産駒
- 所属予定:美浦 国枝栄厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:5,000万円
- 一口価格:100,000円
- 芝の王道路線に適性がありそう
- エピファネイアとShirley Heights(Never Bend)は好相性の組み合わせ
- Diesisは名マイラーKrisの全弟で2歳スプリントG1を2勝
中距離×短距離の組み合わせ
全兄Krisはエフフォーリアにも入る血
母レトⅡの父Diesisは欧州で活躍した競走馬で、2歳時にスプリントG1を2勝しています。その全兄には16戦14勝全連体の名マイラーKrisがおり、この兄弟がSharpen Upの血を世界に広めました。Diesisは種牡馬としてかなりの成果を残しており、自身はスプリント路線で走ったものの、クラシックディスタンスをこなす産駒も多く輩出しています。Diesisの血統表を紐解くと、スタミナ血脈が多数入っており、距離適性の幅広さは納得するものがあります。
スタミナ血脈を生かしつつ、マイル以下のスピードやタフさを伝えられれるとすれば、エピファネイア×Diesisは好相性でしょう。また、エフフォーリアがDiesisの全兄Krisの血を持っており、そこからも相性の良さを推測することができます。
祖母Lingerieの父はShirley Heightsで、この血はエピファネイアと好相性だと考えられます。前述の通り、エピファネイアには引き締める要素が求められ、Shirley Heightsの持つNever Bendがその役割を担うことができる点が適合していると考えられます。Sadler’s WellsとNever Bendはニックス関係にあり、そこでの引き締めが効いていると考えられます。
クラシックを目指す1頭だと思います。
募集馬概要 スカイダイヤモンズの21
- スカイダイヤモンズの21
- 父:リアルスティール
- 母:スカイダイヤモンズ
- 母父:First Dude
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年1月13日
- 母8歳時の産駒
- 所属予定:美浦 鹿戸雄一厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:3,600万円
- 一口価格:72,000円
- 柔らかな血と力強い血のバランスは良さそう
- 母の父First Dudeは柔らかめな血
そこに対してStorm Catのクロスが発生は強めで良いのではないか
- 母の父First Dudeは柔らかめな血
- 路線的にはマイルあたりではないか
- 1400mから1800mあたりをこなすタイプではないか
母スカイダイヤモンズは北米で活躍した競走馬であり、欧州的な要素はほぼ持ち合わせていません。その辺りは現在の傾向とは逆行しており、不安要素ではあります。一方で、勝ち上がった馬6頭のうち、3頭がサンデーサイレンスとKingmanboの血を同時に持っており、緩めつつ引き締める、が成り立っていればバランスはとれるとも考えられます。(欧州の血はアウトブリードになりやすく、緩めず引き締めず、異系を取り入れているというのが良いのかもしれません)
First DudeはA.P.Indy系の種牡馬。A.P.IndyはSeattle Slew × SecretariatでBold Rulerの柔らかなスピードを持っています。Storm CatもSecretariatの血を引いており、Bold Ruler的な柔らかなストライドは相当に刺激されている印象です。
対して引き締める要素として、Nureyevの5×6とStorm Catの3×5です。後者はSecretariatのクロスも同時に各所で発生し、そこが濃くなるため、引き締めと評することができるのはStorm Birdの4×6の部分ですね。
硬さと柔らかさのバランスはとれている状態にあるように思います。牝馬で筋肉の質も柔らかいでしょうから、力馬になりすぎず、芝の短距離からマイルあたりで走れるのではないかと思います。
募集馬概要 エレクトラムの21
- エレクトラムの21
- 父:リアルスティール
- 母:エレクトラム
- 母父:High Chaparral
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年2月23日
- 母10歳時の産駒
- 所属予定:美浦 手塚貴久厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:2,800万円
- 一口価格:56,000円
- リアルスティール×欧州血統に好感
- Mill Reefの血を持つリアルスティール産駒は勝ち上がり傾向
- Nureyev ≒ Sadler’s Wellsはスタミナと勝負強さ強化に期待
- 素軽さはあるか
- スピードを強化する要素は薄く、素軽さに不安。成長次第
スピード的な要素は薄く、全体的に力強さとスタミナ要素に偏っている印象はあります。牝馬の柔らかさでバランスを取れているかどうか、というところでしょうか。歩様や馬体を動画で見たとき、まだバランスがとれていない印象があり、柔らかさが出てくるか、力強さが出てくるかは微妙な感を受けました。ただ、力強さ路線になり、筋肉がついてボリュームアップしてくると、故障が不安になるフレームですね。
募集馬概要 ラルクの21
- (外)ラルクの21
- 父:Golden Horn
- 母:ラルク
- 母父:ディープインパクト
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年2月23日
- 母10歳時の産駒
- 所属予定:栗東 松永幹夫厩舎
- 生産:Coolmore Stud
- 募集総額:3,000万円
- 一口価格:60,000円
- ディープインパクト×北米型の母に対して欧州を入れるはバランスは良い
- 母ラルクの母系は北米型のスピードとパワーを持つ
そこに欧州のGolden Hornでスタミナ戻しはアリではないか
- 母ラルクの母系は北米型のスピードとパワーを持つ
- 重馬場など特定条件下で成果を残せる可能性が高い
- 母系のパワーと父の欧州適性で重馬場は得意としそう
- 馬体の雰囲気や歩様からも、重馬場は得意としそう
ラルクの21の歩様動画を見ると、間接や蹄が大きく見え、タフな馬場でもしっかりつかんできそうな雰囲気とバネがあるように見えます。小柄な馬で、ここから急成長して大きくなる感じはあまりしませんが、こういう歩き方をする馬がいるんだと印象に残りました。
母ラルクはディープインパクト産駒で、母系は名牝My Bupersの系統。ラルクはディープインパクト産駒として成功パターンの配合で、そこに上乗せするとなると、欧州的なスタミナ勝負強さだと考えられます。そこを鑑みると、Nureyevのクロスを持ち、Hyperion的なスタミナと勝負強さを持つGolden Hornは相性が良さそうです。Golden HornはSir IvorとHabitatの血を持ち、Sir Gayloadの柔らかな要素を持っています。ディープインパクトもSir Ivorの血を持っていますから、Sir Gayloadの柔らかさは引き出されている可能性はあります。Sir Ivor≒Haloで日本適性の速さが引き出されていると理想的ではあります。
募集馬概要 ダンシングオンエアの21 Dancing On Air 21
- (外)ダンシングオンエアの21
- 父:Saxon Warrior サクソンウォリアー
- 母:Dancing On Air ダンシングオンエア
- 母父:Fastnet Rock
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年3月19日
- 母8歳時の産駒
- 所属予定:栗東 四位洋文厩舎
- 生産:Coolmore Stud
- 募集総額:4,200万円
- 一口価格:84,000円
- ディープインパクト×豪州デインヒルの力強さ
- ディープインパクト的な雰囲気というより、
デインヒル的なサイズ感や力強さがあり、マイル以下で成果が出そう
ミッキーアイルやミッキーアイル牡馬のイメージに近い - ロイヤルアカデミーⅡはStorm Catに近い血
ディープとの相性も期待だが、一層パワー寄り
- ディープインパクト的な雰囲気というより、
- 馬体が力強く、成長も見込めそう
- 同じくSadler’s Wells・デインヒルのクロスを持つオストファーレンは、
募集時幼く柔らかい雰囲気があったが、力強い馬体に1年で大きく成長 - ダンシングオンエアの21も現時点でサイズや雰囲気があるが、
一層大きくなってきそうな様相で、今後に期待できる
- 同じくSadler’s Wells・デインヒルのクロスを持つオストファーレンは、
私は同じくSaxon Warrior産駒で、Sadler’s Wellsとデインヒルのクロスを持つオストファーレンに出資しています。オストファーレンの募集時の歩様は幼いながらも柔らかく、ディープインパクトの系統らしさなどを感じました。しかし、それ以降は筋肉が発達し、450kgほどだった馬体も現在は520kg弱あります。フレーム的にもダンシングオンエアの21はまだ大きくなってきそうで、力強さが増してくるともっと迫力が出てきそうな感じがしますね。
配合の方向性にブレる要素がなく、馬格もあり、迫力が今後増してくると思うと、マイル路線で楽しみな一頭です。
募集馬概要 ヤンキーブライトの21 Yankee Bright 21
- (外)ヤンキーブライトの21 Yankee Bright 21
- 父:Practical Joke
- 母:Yankee Bright ヤンキーブライト
- 母父:Elusive Quality
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年2月14日
- 母14歳時の産駒
- 所属予定:栗東 森秀行厩舎
- 生産:George E.Bates Trustee
- 募集総額:2,600万円
- 一口価格:52,000円
- 父は北米リーディングサイアーInto Mischiefの系統
- Into Mischiefは2019年から3年連続で北米リーディングサイアー
- Into Mischief自身はAWのG1を1勝したのみ
- Into Mischiefの半妹に名牝Beholder
- Practical Jokeはダート短距離G1を3勝
- Into Mischiefは2019年から3年連続で北米リーディングサイアー
- 日本適性のありそうな血が多く 期待できそう
- Storm Cat・フォーティナイナー・Gone West・Deputy Minister
いずれも日本で成果を残している
- ロイヤルアカデミーⅡはStorm Catに近い血
ディープとの相性も期待だが、一層パワー寄り
- Storm Cat・フォーティナイナー・Gone West・Deputy Minister
- 牝馬であることは少々ネック
- 牝馬ダート路線は整備されておらず、活躍の場は限られそう
母がGone WestとSharpen Upを持つことで、Mixed Marriageの牝馬クロスを発生させていることがあげられます。スタミナや勝負根性の底上げが期待できます。
Practical JokeはHaloの血を複数持っており、そこに母の父Elusive QualityがSir Ivorを持っているので、Halo≒Sir Ivorが発生し、日本競馬への適性を高めるスピードも持ち合わせそうです。加えて、Secretariatのクロスも発生するので、そこもスピード的な要素で期待ができそうです。
これらの要素を総合していくと、スタートから気持ちよくストライドを伸ばしていける1ターンの競馬場で、逃げ・先行で押し切る競馬で成果が残せそうだと思います。
馬体を見ての印象ですが、繋ぎの雰囲気からもダートタイプではないかと思います。トモも良いものをもっているように見えました。ここから実は入ってくるでしょうが、サイズはあまり大きくなる印象はなく、これくらいがフレーム的にも良さそうです。
参考図書のご紹介
私は以下の図書で学習した知識をもとに分析作業を行っています。もしよろしければ皆さんもご覧ください。