インゼルTC 20産募集馬配合分析 コンシダレイトの20

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インゼルTC 20産募集馬配合分析 コンシダレイトの20

 先日、インゼルサラブレッドクラブ様より、クラブ会員向けに案内があり、停止となっていたコンシダレイトの20の募集が再開されることが発表されました。

 この募集は新規会員の方も対象の先着順とのことですので、ブログ記事にさせていただこうと思います。スケジュールについては、インゼルサラブレッドクラブ様のホームページのご案内をご参照ください。

コンシダレイトの20 募集再開のお知らせ

募集馬情報 コンシダレイトの20(術後の経過など)

 コンシダレイトの20は外国産馬(フランス産)で、募集停止は故障ではなく疝痛による開腹手術によるものです。ざっくりというと、食べすぎが原因で、大事にはならなかったようです。開腹した部分の筋肉の結合がうまくいっていなかったものの、そこも解消できたということで、募集再開に至っています。

You Tube版の解説は以下
【一口馬主】インゼルTC コンシダレイトの20の出資検討用分析

募集馬分析 注意書き

 本分析は自分自身が一口馬主として競走馬に出資しており、自分自身の投資先を選ぶための分析を公開しているものです。そのため、募集馬の活躍を保証するものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にて実施をお願いいたします。

 また、馬券的な分析をするものではなく、一口馬主として出資をするうえでの分析ですので、馬券を検討する際の情報としては有効なものではありません。ご了承くださいますようお願いいたします。

 以下、参考図書及びこれで種牡馬名や牝系名を知ったというゲームのご紹介です。

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コンシダレイトの20の募集情報

コンシダレイトの20
  • コンシダレイトの20
    • 父:Nathaniel
    • 母:Considerate コンシダレイト
      • 母父:Dansili
    • 性別:牡馬
    • 生年月日:2020年2月19日
    • 所属予定:栗東 友道康夫厩舎
    • 生産牧場:Haras d’Etreham (フランス)
    • 現在地:北海道・三嶋牧場
    • 募集総額:4000万円
      • 一口価格:80,000円

 コンシダレイトの20はフランス生産の外国産馬です。すでに日本に来ており、件の手術も日本で実施しています。

 母コンシダレイトは出走しないで引退しています。産駒からはフランスで1勝した馬が1頭。その馬は2015年生まれで、そこから間があいてこの馬が生まれています。

 コンシダレイトは全欧年度代表馬に2度輝いたEnable(エネイブル)の半姉にあたります。Enableは凱旋門賞を連覇などG1競走を11勝している、歴史的名牝です。活躍が近年ですから、ご存知の方も多いのではないかと思います。また、Enable以外のきょうだいも重賞で好走しています。同じ一族からは凱旋門賞やBCターフを2度2着に入り、G1競走では3勝したFlintshire(フリントシャー)が出ています。こちらも香港ヴァースやドバイシーマで走っていますから、ご存知の方もいるのではないかと思います。

 コンシダレイトの20はすばらしい牝系の出身だと言えます

コンシダレイト20の血統表

コンシダレイトの20
コンシダレイトの20 配合のポイント
  • 欧州の超一流配合
    • 祖父のGalileoは92頭のG1馬を出した超一流の種牡馬
    • 母父父のDanehillはGalileoはG1馬84頭を出した超一流の種牡馬
  • Galileo×Danehillの血を持つ馬からは活躍馬が多数
    • Teofilo 2歳G1を2勝
    • Frankel 14戦14勝 G1を10勝
    • Japan G1を2勝 ジャパンカップにも参戦
    • Iridessa G1を4勝 日本に輸入され繁殖牝馬で活動
    • Highland Reel G1を7勝 香港ヴァースを連覇
  • 名牝Enableとは3/4同血
    • 母父Dansili以外はすべて共通
  • Dansiliはハービンジャーの父
    • ハービンジャーは日本で活躍馬を出しており適性は一定期待できる
    • コンシダレイトはイルドブルボンの4×4 これはプラスと推測

上記より、欧州で活躍できる血をかなり持っており、重い芝への適性は高いと考えられます。

一方で、日本の軽い芝への適性を高める血は薄く、日本適性は心配があります。

 父NathanielEnableの活躍もあって、フランス種牡馬リーディングを2017年・18年に獲得しています。Enable以外にもG1馬を出しており、すでに欧州で成功している種牡馬です。

 日本でデビューした馬は9頭おり、勝ち馬はロングボウマン1頭のみ。2019年生産馬は4頭おり、この数字は今後上昇する可能性はあります。ただ、4頭ともに二桁着順で、日本の軽い芝への適性を感じさせているかというと、そうではない、というところです。

 ただ、欧州で走らせるうえで魅力的な血は本当に多数持っており、GalileoDanehillは世界的な名血ですし、Sadler’s Wellsの3×3も欧州においては珍しいクロスではありません。現時点で530kg馬格も十分あり、欧州の斤量にも対応できそうです。

 Galileo×Danehillのポイントは、Buckpasserにあるんじゃないかと思います。Galileoの母父MiswakiはBuckpasserの血を引き、Danehillも母母父にBuckpasserを持ちます

 Buckpasserは名牝La Troienne牝系の出身。父系はスピードのある血、母系は力強さというところで、力強く速く走る血という印象があります。GalileoとDanehillを同時に持つことで、北米的な力強さとスピードが強化され、欧州の重い芝に屈しない力強さを持ち、その環境下でもスピードを発揮できるのだと考えられます。

 Galileo×Danehillの前に欧州で流行した組み合わせで言うと、Sadler’s Wells×Never Bendでしょうか。Never BendからはMill ReefRivermanが出ており、どちらもリーディングサイアーに輝いた実績があります。Sadler’s Wells以前の欧州流行血統です。

 Sadler’s Wells×Never Bendは、Lalunの牝馬クロスが発生します。Lalunも北米的なパワーを持ちつつ、La Troienneの血も持つ血統ですから、理屈としてはGalileo×Danehillと共通します。コンシダレイトの20は母系にSadler’s Wells×Shirley Heightsを持ち、Lalunの牝馬クロスを持ちます。

 コンシダレイトの20はおばにEnableを持つ名血ですが、父が共通するため、コンシダレイトの20とEnableは3/4同血です。2頭の血統表を並べると、Dansiliの部分のみ異なることがわかります。

 Galileo×Danehillが入ったことで、欧州適性的な完成度はEnable以上になったのではないかと推測しています。相当な名血ではないかなと思っています。

 では日本適性はどうなのか、というと、正直低いと言わざるを得ません。

 日本で活躍している欧州を主戦場にしている種牡馬はFrankelKingmanがまずあげられます。そのどちらもチャンピオンマイラーで、欧州ではスピード自慢の競走馬でした。日本に来ている欧州で現役生活を過ごした種牡馬で、すでにG1馬を出している種牡馬ではハービンジャーバゴがいます。ハービンジャーはキングカメハメハ×サンデーサイレンスの肌馬から活躍馬を出し、バゴもHaloを刺激するクロスやサンデーサイレンスを取り入れることで成功しています。このあたりからも、スピードがかなり重要であることがわかります。

 コンシダレイトの20は日本の軽い芝への適性を高め、スピードを強化するタイプの血をほとんど持っていないことから、適性的には厳しいのではないかと考えます。

 ただ、母父にDansiliを取り入れており、Dansiliはハービンジャーの父ですから、一定の適性はあるのではないかと思います。また、ハービンジャー産駒でNureyevNijinskyの血を取り入れている馬は、ブラストワンピースモズカッチャンディアドラがいて、キレのある末脚を武器に活躍していました。母コンシダレイトはNijinsky産駒のイルドブルボンの4×4を持ちます。イルドブルボンはTourbillonの5×5を持ち、フランス的な切れ味を持ったNijinsky産駒です。このあたりがうまくハマると、キレのある末脚を見せてくれるのではないかと思います。この馬も馬格があって、全身が大きいのですが、それはNijinskyぽくもあり、ブラストワンピースぽくもありますね。

 日本で一定の成果をあげれば、香港のレースや欧州のレースで活躍するところ見ることができるかもしれません。

まとめ

 コンシダレイトの20が名血であることは間違いありません。かなりすばらしい配合だと思います。だた、それが日本で走るかは別問題で、最高のパフォーマンスを発揮するとしたら、日本ではないだろうな、と思います。

 日本の芝でも成果を残すようであれば、能力の絶対値がすごく高いことの証明でしょうし、世界での活躍が期待できます。武豊ジョッキーを背中に乗せて、凱旋門賞をとるのはこの馬かもしれない、そんなことを思わせてくれる血統です。

 先行募集で募集直後に売切れる、ということがなければ、育成牧場での走り姿を見て出資を検討したいですね。夢が見られる馬だと思っているので、大きなストライドで力強く坂路を駆け上がるようであれば、チャレンジしたいですね。

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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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