インゼルサラブレッドクラブ 2022年度募集
インゼルサラブレッドクラブの2022年度先行募集も締め切りまであと約1週間となりました。ここまで、全頭の血統や馬の姿や歩様から分析を行ってきました。
今回はその内容を抜粋しながら全頭まとめを作りました。
本分析は募集馬の活躍を保証するのものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にご決断ください。また、私の主観による分析ですので、読者の望まない表現が出てくる可能性もございますが、ご了承ください。
募集馬概要 ヴィニーの21
- ヴィニーの21
- 父:ロードカナロア
- 母:ヴィニー
- 母父:ディープインパクト
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年1月19日
- 母7歳時の産駒
- 所属予定:栗東 池江泰寿厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:5,500万円
- 一口価格:110,000円
- ロードカナロア×ディープインパクトは名前のイメージと実態があまり一致しない
- ロードカナロア×ディープインパクトだと距離が持ちそうだが、
現在の上記組み合わせでは短距離~マイルが多く、こなせて2,000m - ロードカナロア×ディープインパクトの牡馬には
ジンギ・ファンタジスト・ジュベリーヘッド・アドマイヤハダルなど。
ジンギは地方ダート重賞馬、ファンタジストはスプリント重賞馬。
- ロードカナロア×ディープインパクトだと距離が持ちそうだが、
- Storm Cat≒Caerleonがキーポイント
- このニアリークロスを持つ馬には、
メイショウボーラー・レッドスパーダなど - 父タイキシャトルに際してはいずれもマイル以下でスピードを発揮
ダートにも適性を示す
- このニアリークロスを持つ馬には、
ヴィニーは牝馬王道路線を目指せるディープインパクトの配合パターンですし、そういった意味でクラシック路線を目指していたタイプでしょう。それを上手に引き出すことができれば、ヴィニーの21もその路線に向かえると思います。
Storm Cat・Alzao・Caerleonがそれぞれ似た要素を持っており、柔らかなストライドで走る力を高めそうです。それに加えてSecretariatのクロスも持ち、そこも柔らかくする要素です。The Minstrel≒Storm Bird≒Nijinskyが入ってはいるものの、勝負強さ的な要素を増強するようにはあまり思えず、パワー&スピードタイプに思えます。
馬格は十分なものを有しており、歩様も故障が不安になるものはあまり見受けられず、その辺りは大丈夫そうな印象を受けます。調教と共に緩さを解消し、柔らかなストライドを生かして勝負することができれば、東京のマイルでの活躍を期待できるのではないかと思います。
募集馬概要 チカリータの21
- チカリータの21
- 父:ロードカナロア
- 母:チカリータ
- 母父:クロフネ
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年3月13日
- 母8歳時の産駒
- 所属予定:栗東 小崎憲厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:4,000万円
- 一口価格:80,000円
- ロードカナロアの成功パターンに該当
- ロードカナロア×クロフネにはカレンモエ
ロードカナロア×フレンチデピュティにはレッドルゼルやアンヴァル
この組み合わせの勝ち馬率は50%超 賞金額的にも好相性 - ロードカナロア×サンデーサイレンス×Specialの血を持つ
国内のG1を勝利したロードカナロア産駒6頭のうち、4頭はこの要素を満たす。
- ロードカナロア×クロフネにはカレンモエ
- 母系が優秀
- Ballade牝系でGlorious Song→ハルーワソングの流れは日本で理想的
- マンハッタンカフェ×Blushing Groomは好相性にニックスとなるなど、
母系が積み上げてきたものが各代で優秀
チカリータの21はロードカナロアの成功ポイントを2つ抑えています。それに加えて名牝系出身の牝馬ですから、かなり良いのではないかと思っています。距離適性でマイルまでこなすことができれば、牝馬は1,400m~1,800mの重賞がG1含め揃っていますから、活躍の場面が期待できますね。
気になるのは母チカリータがダート馬だったこと。そして半姉のシュニー(父マインドユアビスケッツ)もまたダートデビューだったこと。ダート路線でもある程度成果を残してきそうですが、牝馬のダート路線は充実しているとは表現しにくい環境ですから、この費用感だと芝で期待したいところです。そこが少しひっかかりますね。
馬格も十分なサイズ感がありますし、トモが楽しみなボリューム感があるように思いました。歩様もしっかりとしていますし、馬体的にも楽しみですね。
募集馬概要 ローリーポーリーの21 Roly Poly 21
- ローリーポーリーの21
- 父:Justify ジャスティファイ
- 母:Roly Poly ローリーポーリー
- 母父:War Front ウォーフロント
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年2月24日
- 母7歳時の産駒
- 所属予定:美浦 蛯名正義厩舎
- 生産:Coolmore・Ashford Stud
- 募集総額:12,500万円
- 一口価格:250,000円
- Justifyは現状日本国内苦戦気味。芝・ダート兼用
- 海外で重賞馬を出すなど順調な種牡馬生活をスタートするも、
日本国内の2歳戦では今のところ苦戦。
2歳戦に強そうなイメージとはギャップアリ - 芝・ダート兼用なのは祖父ヨハネスブルク共通。
Yarn=Preachの全姉妹クロスから先祖返りも?
シンプルな競馬ができる環境で成果が出そう。
- 海外で重賞馬を出すなど順調な種牡馬生活をスタートするも、
- 母は競走成績も牝系としても優秀
- 欧州マイルで大きな成果を残しているスピードとタフさは期待大
- 母の父ウォーフロントも日本では芝・ダート兼用
- 牝系の競走成績・繁殖成績ともに優秀で、
各代で大種牡馬をつけて積み重ねており、将来にも期待。
牝系も勝負強そうな印象がありますから、逃げて捕まらない、先行して押し切る、という勝ち方も期待ができそうです。上振れをすれば、先行型の安定感抜群の競走馬になり得るのではないかと思います。
そうでない場合は、夏のサマーシリーズなどでローカル競馬場で成果をあげていくタイプになっていくのではないかと推測しています。歩様からは芝をこなせそうな印象を受けています。馬格もありますし、バランスも良く見えます。ちょっとリズム感に不安がありますが、そこまで心配はいらないかなと思います。
芝をこなすことができれば、マイルあたりだと思いますし、牝馬の路線的には困らなさそうです。ダートとなったとき、路線的にこの募集額を回収するのはしんどそうではあります。大箱で日本適性の高い馬に勝つのは結構厳しいんではないか、とも思うのですが、上振れに期待ができる血統背景だとは思います。
募集馬概要 テルアケリーの21
- テルアケリーの21
- 父:シルバーステート
- 母:テルアケリー
- 母父:Tapit タピット
- 性別:牝馬
- 生年月日:2021年5月4日
- 母13歳時の産駒
- 所属予定:栗東 友道康夫厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:9,200万円
- 一口価格:184,000円
- ディープインパクト目線で好配合揃い
- ディープインパクト×Tapitからはグランアレグリア
- ディープインパクト×Bold Ruler系からはアルアイン・シャフリヤールの兄弟
- ディープインパクト×Unbridled×Storm Catにはコントレイル
- 上記の通り、かなり好相性の組み合わせが揃っている
- 前目の競馬に期待ができるが、粘り強さに不安
- シルバーステート産駒は芝中距離で前粘りの競馬を得意とする傾向
- 先行力やスピードを増強する血はあり、まくりもできそうなイメージ
- 粘り強さの要素はあまりなく、馬力はあるが差される、届かないはありそう
テルアケリーの21は、ディープインパクト目線で見た時、相性の良い血が多く、シルバーステートの母系にない血を取り入れているので、これはディープインパクト後継の成功パターンに該当します。
母系に北米のスピードとパワーのある血を複数持っており、馬力型のシルバーステートと掛け合わせるとスピードを補いつつ、一層力強さを強化している印象を受けます。現状、シルバーステート産駒は小回りやローカルを得意とする傾向があり、大箱で末脚勝負に弱い傾向です。キレ勝負では分が悪く、テルアケリーの21もまた、一本調子、もしくはまくりで先行押切イメージで中山や阪神の内回りで勝負していくタイプになるのではないかと予想でしています。
募集馬概要 ゴルトキルシェの21
- ゴルトキルシェの21
- 父:レッドファルクス
- 母:ゴルトキルシェ
- 母父:ステイゴールド
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年2月17日
- 母6歳時の産駒
- 所属予定:栗東 大久保龍志厩舎
- 生産:社台ファーム
- 募集総額:1,800万円
- 一口価格:36,000円
- 1800m~2200mが主戦場になるのではないか
- レッドファルクスはダートや1400mもこなすスプリントG1馬
純粋なスプリントタイプというより、距離に融通の利くタイプ - 母系はスタミナ要素が強く、スピード要素が薄い
- 非根幹距離のマイル・中距離をこなせるとおもしろい
- レッドファルクスはダートや1400mもこなすスプリントG1馬
父のスピードと距離の柔軟性、母のスタミナを想定したとき、1800mに適性があると未来は開けてくるのではないかと思います。大箱で直線のキレと最高速勝負、となったときには苦戦しそうで、1800mの4コーナー戦などでの勝負になりそうです。母のスタミナが発揮され、さらにトリッキーな2200mのコースに対応できると、勝負どころは増えてきそうです。
1400mもコース形状的にトップスピード勝負というより、持続力勝負になりやすい傾向があります。スタミナ消耗の少ないラップタイムがマイル以下よりの場合、1400mでも適性がありそうですね。1800mを中心に400m刻みで考えていくタイプとなるのではないかと思います。
馬体や歩様の動画を見た時、右前脚の踏み込みが私は少し気になりました。やや硬い印象です。ほかはあまり気にならず、良いサイズをしているなあ、という具合でした。
今回募集の馬では手が届きやすい価格であり、非根幹距離の条件戦で見込みがあると思うため、1つ勝ち上がれば収支プラスは見込めるタイプだと思います。レッドファルクスも、母系も晩成タイプですし、長く楽しむうえで成長力に期待はできそうです。一方で心配なのは、勝ち上がれるかどうか、というところですね。早期に北海道デビューでライバルの少ないうちに勝ち上がれるくらいのペースで進行できると、成長を待ちつつ楽しめると思います。一方で、デビューが遅れてくると、芝のマイル以下はかなり混雑しますから、レース選びに苦戦はしそうですね。
募集馬概要 サラフィナの21
- サラフィナの21
- 父:ブリックスアンドモルタル
- 母:サラフィナ
- 母父:Refuse To Bend
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年2月22日
- 母14歳時の産駒
- 所属予定:栗東 友道康夫厩舎
- 生産:社台ファーム
- 募集総額:6,000万円
- 一口価格:120,000円
- 大箱マイル~中距離に適性がありそう
- 父はマイルから中距離でスピードのある北米の芝馬
母はフランスの中距離G1馬
上記より、父の雰囲気も加味してマイルから中距離を期待できそう
- Sadler’s WellsとNever Bendのニックスより、スタミナと終盤キレに期待
- Storm Cat ≒ Ocean Crest 由来のBold Rulerの大箱での直線伸びに期待
- 父はマイルから中距離でスピードのある北米の芝馬
- Northern Dancerの抜け道がある
- 祖母SanariyaがNorthern Dancerの血を持たない
Storm Birdの3×3にSadler’s Wellsが入るため、
Northern Dancerの抜け道があるのは好感
- 祖母SanariyaがNorthern Dancerの血を持たない
- サンデーサイレンスが入らないのがどうか
両親ともに競走実績は抜群で、一本調子のStorm Catの北米的なスピード&パワーに、サラフィナが持つフランスの粘りとキレがすごく良い形でマッチしたとき、ある種ディープインパクト×Storm Catのニックスで誕生したG1馬たちのような競馬を見せてくれる可能性はあるんじゃないかと思います。
とはいえ、日本の主流血統であるサンデーサイレンスの血を持っていないので、その辺りは不安要素として残ります。馬体の雰囲気や歩様の動画を見ると、トモが大きく、胴もそれなりに伸びてきそうで、楽しみな雰囲気があります。
参考図書のご紹介
私は以下の図書で学習した知識をもとに分析作業を行っています。もしよろしければ皆さんもご覧ください。