ノルマンディーOC 2023年産二次募集 中央募集馬15頭全頭分析
本記事ではノルマンディーOCの2023年産二次募集の中央募集馬15頭全頭分析を行います。
ざっと見た時に、魅力的に思う馬が多く、私が感じた魅力などについてまとめておこうと思いました。
まだ悩んでいますが、このラインナップの中から、2,3頭に申し込もうかと考えています。
二次募集は全体的に手を出しやすい価格という印象を受けました。とはいえ維持費もありますし、無理せず申し込もうと思います。
皆様のご参考になりますと幸いです。
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募集馬の分析 注意書き
本分析は私シオノゴハンが個人で行っているものであり、募集馬の活躍を保証するものではございません。
出資などの最終判断は、ご自身にて実施をお願いいたします。
ご了承くださいますようお願いいたします。
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No.33 ゴートゥートラベルの2023

ゴートゥートラベルの23は父ロゴタイプ、母ゴートゥートラベル、母の父ヴィクトワールピサという配合の牡馬です。
母の半姉には重賞4勝のワンカラット、全姉にはG1競走の桜花賞を制したジュエラーはいます。
同牝系からはNHKマイルカップを制したシャンパンカラーも出ていますし、重賞で活躍する競走馬が多数出ている勢いのある牝系です。
ロゴタイプはSadler’s Wellを父系に持ち、自身も朝日杯、皐月賞、安田記念を制したことから、芝のイメージがありますが、産駒は芝とダート兼用タイプです。
私がノルマンディーで出資していたクトゥネシリカもロゴタイプ産駒でしたが、ファンド解散後に地方ダートで4勝しています。
軽いスピードのあるタイプで、Glorious SongとサンデーサイレンスによるHaloクロスの効果もあってか、小回りを器用に立ちまれるタイプです。
一方で、馬力のあるタイプではなく、かつスピードを生かす配合の方が成果が出やすいタイプとあって、力強さが求められるコースより、平坦で小回り向きというローカル巧者なタイプです。
ゴートゥートラベルの23は母の父にヴィクトワールピサを持ちます。ヴィクトワールピサはサンデーサイレンスを父系に持ち、Machiavellian経由でHaloのクロスも持つため、ロゴタイプのHalo的な要素を刺激しやすく、ニックスとなっています。
代表産駒のオメガギネスは祖母がヴィクトワールピサの全妹、阪神JFで2着に入ったラブリイユアアイズは母の父がヴィクトワールピサです。
ヴィクトワールピサの半兄で安田記念や京王杯スプリングカップを制したアサクサデンエンは父シングスピールで、ロゴタイプの祖父と共通。
こうした数々の実績からも、ロゴタイプとヴィクトワールピサはニックス関係として高い期待を持つことができます。
厩舎は美浦の牧先生。代表的な管理馬の1頭にロゴタイプ産駒のミトノオーがいます。
近親に活躍馬が多く、配合、厩舎も魅力的です。価格も安価で、むしろこんなに安いことが不安材料というのが私の感覚です。
とても楽しみな1頭です。
No.34 サイエンの2023

サイエンの23は父ミスターメロディ、母サイエン、母の父バゴという配合の牡馬です。
所属は2025年に新規開業の柄崎先生の厩舎を予定しています。生産は二風谷ファームで、犬のバロンがおなじみですね。
柄崎先生は元騎手で、3代に渡って調教師になられたということで、話題になりました。厩舎、生産牧場の時点ですでに魅力的、興味を惹かれます。
母サイエンも二風谷ファーム生産馬で、通算1勝。新馬勝ちを決めるなど、芝のマイル以下で走りました。
父ミスターメロディは2024年に産駒がデビューした新種牡馬です。
スリールミニョンが2歳OPを勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズでも5着に入る活躍を見せています。今のところ芝の方が走っていますが、今後はダートでの活躍馬も出てくるでしょう。
ミスターメロディはサンデーサイレンスやHaloの血を持たないことを踏まえると、サンデーサイレンスやHaloの血を取り入れつつ、日本の馬場適性を高める方向性が良いのではないかと考えられます。
もしくは、Storm CatとMr.Prospectorを生かしつつ、フジキセキやクロフネなどの米国要素と日本適性を兼ね備えた馬を取り入れたり、Specialの血を取り入れて馬力をあげたりするイメージも良さそうです。
母サイエンはHaloクロスを持ち、かつサンデーサイレンスの血をSpecialの血を持っています。
この両親の組み合わせだと、サンデーサイレンスやHaloの要素を母系からしっかり取り入れつつ、Mr.ProspectorとNureyevによる馬力の底上げもできているイメージです。
マイル以下の距離でスピードを生かした走りに期待したい1頭です。
No.35 サウスクイーンの2023

サウスクイーンの23は父ヘニーヒューズ、母サウスクイーン、母の父アイルハヴアナザーという配合の牡馬です。
祖母がサウスヴィグラスの半妹にあたります。サウスヴィグラスはダートスプリントで活躍した競走馬であり、種牡馬としては地方競馬で数多くの活躍馬を出しました。
サウスヴィグラスは父エンドスウィープで、祖母リナミクドリームとMr.Prospectorの父系が共通。また、母サウスクイーンはアイルハヴアナザーの産駒で、フォーティナイナーの系統という点で共通します。サウスヴィグラス的な血の要素は受け継いできているイメージです。
母サウスクイーンは地方競馬で活躍した競走馬で、通算89戦して1着9回、2着10回、3着18回という、実績を残しています。心身の健康さがなければ実現不可能な数字であり、かなりタフな牝馬であったことがわかります。
父ヘニーヒューズはダートにおいて複数回リーディングサイアーを獲得する名種牡馬です。
母がダートでタフに活躍したこと、牝系もダートで活躍馬を輩出していることから、この組み合わせは方向性としてまとまっています。
ヘニーヒューズの代表産駒モーニンは、母の父Distorted Humorで、母系にFappianoが入る配合です。
サウスクイーンの23も、母の父がDistorted Humorの孫のアイルハヴアナザー、母系にFappianoが入ることが共通します。
馬格的にも、ダート路線での活躍が楽しみな1頭だと思います。
No.36 スカイソングの2023

スカイソングの23は父レッドファルクス、母スカイソング、母の父ディープスカイという配合の牡馬です。
父レッドファルクスはスプリンターとしては後半のキレで勝負するタイプで、末脚が鋭い競走馬でした。
スプリント路線はスタートから馬力を生かしてスピードに乗り、それで押し切る競馬が中心で、サンデーサイレンスの要素が薄い馬の方が活躍する場ですから、こうしたタイプで勝利できたのは能力の高さを示すとともに、スプリンターらしいスプリンターではなかったことを示しています。
こうした背景を持っているレッドファルクスは、種牡馬としても距離の融通が利くタイプで、必ずしもスプリントではなく、ダート4コーナー戦もこなしています。
元々柔らかなタイプではあるため、サンデーサイレンスのクロスを必要とするタイプではあまりなく、どちらかというとMr.ProspectorやRoberto、Specialの血を加えて引き締めたほうが成果が上がるイメージです。
今のところの3,000万以上の賞金を獲得している、レッドシュヴェルト、リバートゥルー、トーアアイギス、ペンティメントの4頭はいずれもMr.ProspectorとSpecialの血を母系に持っています。
スカイソングの2023はMr.Prospectorのクロスは持ちつつも、Specialの血は入らないタイプです。
全体的にサンデーサイレンスやBold RulerとPrincequilloの要素が強く、柔らかな要素が強い印象を受けます。
こういうタイプだと、大箱で大外一気で直線で突き抜ける競馬をするイメージでしょうか。
内枠や小回り、力強さが必要な馬場は苦戦するかもしれませんが、ストライドを伸ばせる場面や、マイペースで進める場面において強いタイプになると思います。
直線で差し切る姿が楽しみな1頭です。
No.37 タニノジュレップ

タニノジュレップの2023は父ミッキーグローリー、母タニノジュレップ、母の父コロナドズクエストという配合の牡馬です。
母タニノジュレップはダートスプリントで中央3勝をあげた快速馬。05年産で高齢ではあるものの、タニノジュレップの2022ことライラは2022年産ノルマンディー募集馬の一番星をあげ、1勝クラスも連勝で突破するなど、繁殖としての能力も今なお発揮しています。
母の産駒には地方重賞馬のローズジュレップおり、近親にはタニノギムレットがいる良牝系です。
父ミッキーグローリーは鋭い末脚を持った競走馬で、新潟での記録した上がり3ハロン32.2秒は強烈なものでした。
末脚の絶対的なスピードは才能であり、このスピード能力は大きな魅力です。
初年度産駒は2023年にデビューしており、中央所属の生産馬が少ないこともあって勝ち上がりは現在2頭と、苦戦しています。通算出走頭数が2024年末時点で30頭に満たない数ですし、ここから勝ち上がりが増え可能性は十分あります。
父ミッキーグローリーはAlzaoとダンシングブレーヴが父Lyphardが共通で、母の父がSir IvorとDroneで共にSir Gaylordの直仔などクロスが強めの血統構成をしています。
母タニノジュレップは逆にクロスが薄めで、コロナドズクエストがNorthern Dancerの血を持たないことから、この組み合わせは緊張と緩和のバランスが取れている印象を受けます。
父の鞍上を務めたこともある蛯名先生の厩舎ということで、両親の持つポテンシャルを引き出してくださるのではないでしょうか。楽しみな1頭です。
No.38 ディアサルファーの2023

ディアサルファーの23は父ゴールドシップ、母ディアサルファー、母の父ローエングリンという配合の牡馬です。
豪州出身の牝系で、その流れもあってか母は芝のスプリントで2勝をあげています。
父ゴールドシップは中長距離で活躍した競走馬で、産駒はそんな父の影響を受けて長めの距離で走る馬がほとんです。
牝馬の方が活躍しているイメージですが、スタミナを生かしてマイネルグロンが中山大障害を勝利したほか、メイショウタバルが3歳重賞を勝利するなど牡馬も重賞を勝利しています。
個人的には、出資馬のノーブルロジャーを毎日杯で破ったのがメイショウタバルなので、若干複雑なものがありますね。
父のスタミナと母のスピードで走る産駒をイメージすると良さそうな種牡馬で、母系からどうやってスピードを取り入れるかがポイントだと考えられます。
その点で言えば、母は豪州牝系のスプリンターで、Haloのクロス持ち。
両親の間ではサンデーサイレンスのクロスが発生することも含め、スピードを底上げできていそうなイメージです。
それもGlorious Songとアグネスタキオンからですから、スピードの色は強い印象です。
本馬の近親にフサイチジャンクがいるのですが、ジャンクスポーツをその当時に見ていて、すごくわくわくしたのを思い出しました。
No.39 ポップシンガーの2023

ポップシンガーの23は父ベンバトル、母ポップシンガー、母の父スマートファルコンという配合の牡馬です。
岡田スタッドの生産馬で、半姉のミリオンヒットには出資させていただいております。
厩舎は新規開業の浅利英明先生です。調教助手時代にはノンコノユメを担当されたとのことで、タフで長く活躍できる馬づくりをされるイメージが沸きます。
父ベンバトルについては、記事、YouTube動画にもまとめました。

その分析では、サンデーサイレンスの血を取り入れる、特に米国要素のあるハーツ産駒やディープ産駒が魅力的とし、Mr.ProspectorとSpecialの血を取り入れるというイメージでキングカメハメハの系統とも好相性ではないか、としました。
ポップシンガーの23は母の父にスマートファルコンを持ちます。
スマートファルコンはダートで活躍した逃げ馬で、Vaguely Nobleの影響を受けたタイプ。気性的にも、スタミナ的にも逃げてよしな要素です。
サンデーサイレンスとNureyevの血を持つので、活躍の要素を2つ持っています。
コマンダーインチーフは注目の血です。
ベンバトルの父Dubawiの母ZomaradahはダンシングブレーヴとSlightly Dangerousの血を引いていますが、この2頭はコマンダーインチーフの両親です。
つまり、Zomaradahはコマンダーインチーフの血と同じものを内包しており、コマンダーインチーフ的な要素が引き出される可能性が高まります。
コマンダーインチーフの日本での産駒は、マイル以下やダートで活躍したパワーとスピードのあるタイプが多く、2歳戦から活躍するタイプが多く出ました。
これはダンシングブレーヴとRobertoによる影響で、両者の持つ米国的な前進気勢と馬力の伴うスピードがマッチしていたと考えられます。
ポップシンガーの23はコマンダーインチーフ的な要素を引き出す配合であり、この要素が出てきた場合、スピードとパワーをうまく引き出せる可能性があります。
コマンダーインチーフの増強、Mr.Prospector、Roberto、Specialの要素を持ち、サンデーサイレンスの血も入るということで、芝、ダートいずれの路線に行っても、力強く先行押切をしてくれそうなイメージが沸きます。
半姉のミリオンヒットは小柄な牝馬で、芝で素軽いスピードを発揮してくれていますが、本馬は馬格もあって馬力もありそうな雰囲気を持ちます。
配合、厩舎、馬体の雰囲気からも魅力に思ったので、活躍がとても楽しみです。
No.40 アイヴォリーカラーの2023

アイヴォリーカラーの23は父カリフォルニアクローム、母アイヴォリーカラー、母の父クロフネという配合の牝馬です。
厩舎は美浦の林先生の厩舎です。林先生と言えば、すごくまめで丁寧な方という印象があります。
カリフォルニアクロームは2023年に日本導入後の産駒がデビューしました。
北米のダートで活躍した競走馬であるため、ダート種牡馬と思いきや、芝でも活躍する産駒を出しており、特に牝馬は芝での活躍が目立ちます。
カリフォルニアクロームは父がBold RulerやNasrullahとPrincequilloの要素が強く、柔らかな要素がかなり強調されたLucky Pulpitで、母がMan o’Warの影響を強く受けたパワーが強調されたLove the Chaseという配合。
このバランスが抜群だったため、北米で2度の年度代表馬に輝く活躍ができたと考えられます。
カリフォルニアクロームはこのように極端な両親を持っているので、そのどちらを刺激するかで傾向が異なるのだと考えられます。
一般に牝馬は筋肉の質が柔らかくなりやすく、かつ日本で多いサンデーサイレンスの血を取り入れるとそこに柔らかさがプラスされますから、芝向きになると考えられます。逆にダートでの活躍を期待したい場合は、力強さを刺激する要素を取り入れたいところでしょう。
アイヴォリーカラーの23は母の父がクロフネで、Bold Rulerの血が入りつつ、北米の力強い要素も持つ種牡馬。
母系にはMan o’Warの血が入っていて、サンデーサイレンスの血は入りませんから、刺激の方向性では北米のパワーに振れるイメージでしょうか。
母は高齢ながら、産駒はダートで成果を残していますし、配合イメージ的にもダートだと思います。
直線の長いダートコースでの活躍が楽しみな馬だと思います。
No.41 ウイニフレッドの2023

ウイニフレッドの23は父ダノンレジェンド、母ウイニフレッド、母の父スペシャルウィークの牝馬です。
父ダノンレジェンドは産駒がデビューすると、中央、地方で産駒が大活躍し、種付け料が上昇、先日公開された2024年の種付け頭数は249頭と、一気に150頭以上増やしました。
ダート種牡馬であり、産駒の勝利はほとんどがダートです。
ウイニフレッドの23の半姉には東海ダービーを制したセブンカラーズがいます。
また、3代母ウイニングカラーズは牝馬でケンタッキーダービーを勝ち、3歳牝馬チャンピオンを獲得しています。
このように、牝馬のダート路線で活躍する馬が出ている牝系出資であることは、父の傾向とも一致します。
ウイニフレッドの23はStorm Catの3×3の強いクロスを持ち、加えて柔らかさやストライドの伸ばす要素も入るため、大箱向きのダート馬になるのではないかと思います。
クロスの強さや、持っている血の要素からしても、繁殖に入ってからも楽しみなタイプで、そこまで含めた活躍を期待したい1頭です。
No.42 ギャラクシーセレブの2023

ギャラクシーセレブの23は父マインドユアビスケッツ、母ギャラクシーセレブ、母の父ブラックタイドという配合の牝馬です。
ギャラクシーセレブの産駒がノルマンディーで募集されるのはこれで4期連続となりました。
私はギャラクシーセレブの2021、エクラメテオールに出資していました。母ギャラクシーセレブは中央未勝利、ノルマンディー所属の産駒で中央勝ち上がりは今のところまだ出ていません。
母ギャラクシーセレブは母系が欧州の馬力が豊富で、近親からはそれを生かして長距離で活躍したエリモブライアンや、オークスを制したエリモエクセルがいます。
そこにブラックタイドという配合ですから、馬力とスタミナに富んだ血統というイメージです。
実際の産駒のイメージは晩成傾向、気性的にもおっとりとしたタイプが多く、仕上がりを早めたり、前向きな気性の馬を取り入れたりするのが良さそうなイメージです。
父マインドユアビスケッツは鋭い末脚を武器に、ダートスプリントで北米と中東で活躍した競走馬です。
産駒も逃げて押し切るタイプか、大外一気の末脚を決めるタイプなど、極端な競馬をする傾向です。加速力とスピード能力と共に、気性的なもまれ弱さが産駒にも伝わっていることによる傾向だと考えられます。
この両親の組み合わせの場合、父のスピードと母のスタミナで走るイメージとなり、バランスは良さそうです。
エクラメテオールも調教時計は悪くなく、脚力は持っていました。エクラメテオールの父はエイシンフラッシュで、欧州的な要素が強く、心身の晩成要素が出ていたのではないかと思いますが、ギャラクシーセレブの23は早熟要素が乗りますから、また違った進み方になるのではないかと思います。
母の産駒で2024年12月現在、中央勝ち上がりを決めたのは1頭。
その1頭は牝馬のるプランドル、父はアイルハヴアナザー、米国ダート馬です。大枠で共通する要素がありますし、活躍に期待したいところです。
No.43 セトノミッシーの2023

セトノミッシーの23は父ミッキーアイル、母セトノミッシー、母の父ゴールドアリュールの牝馬です。
母セトノミッシーはダートスプリントで中央3勝。通算33戦して3着以内に12回入る安定感のある馬でした。
父ミッキーアイルは牡馬と牝馬で競馬の傾向が異なり、牡馬はダート、牝馬は芝を得意とする傾向です。
母セトノミッシーの血統や現役時代の活躍からは、ダート路線のイメージですが、牝馬に出たことでどちらに進むかは読めないところです。
ミッキーアイル産駒はBold Ruler+Princequilloの要素を持つ馬や、RobertoやMr.Prospectorの血と好相性を示しています。
ミッキーアイルはどちらかと言えば、力強さの要素が多い馬ですから、柔らかく伸びる要素を取り入れつつ、父の持つ力強さを損なわないことが大事なのではないかと考えられます。
母セトノミッシーがフレンチデピュティの血を引いており、Bold RulerとPrincequilloの要素はそこから取り入れることができます。父の代表産駒メイケイエールはフレンチデピュティの血を持っています。
活躍馬の持つ要素と同じ要素を持っていますし、母の競走実績的にも、安定した走りが期待できそうです。
No.44 ハーランズルビーの23

ハーランズルビーの23は父シルバーステート、母ハーランズルビー、母の父Harlan’s Holidayの牝馬です。
今回の二次募集で最も高価な2,960万円で募集されています。厩舎は栗東の昆先生の厩舎で、私はラミアヴィータでお世話になりました。
柔軟に方針転換をしつつ、積極的にレースに使う印象があります。
現在、地方で活躍し、次走で重賞に挑戦するラブリアージェも、園田から中央再転入後に昆厩舎で過ごし、芝にダートに点線しながら力を身に着けました。
母ハーランズルビーは米G1で2着に入った競走馬で、産駒には日経新春杯を制し、大阪杯でも2着に入ったモズベッロを出しています。
母の父Harlan’s Holidayはダート1,800mのG1を3勝。北米の種牡馬リーディングを2018年から連続で獲得し続けている大種牡馬Into Mischiefの父とも知られます。Into Mischiefの種牡馬としてのパフォーマンスは圧倒的で、とても貴重な血を引いています。
また、母系にはGlorious Songの全弟Saint BalladoやGone Westの血を引くなど、母はかなりの良血馬です。
父シルバーステートについては、動画や記事にまとめておりますので、ぜひそちらもご覧ください。

この記事でまとめましたが、Hail to Reasonのクロスや北米の前向きな気性やパワーの取り入れがプラスになると考えれます。
母ハーランズルビーは北米で活躍した競走馬であり、Haloのクロスを持ちます。
加えて、Storm CatとGone West、Affirmedの血を持ち北米のスピードと力強さを持っているイメージです。
Storm Catの血を持たないディープインパクト後継種牡馬は、Storm Catの血を持つ繁殖との間に活躍馬を出しています。
ハーランズルビーの23の半兄、父にディープブリランテを持つモズベッロもその例にあたります。
シルバーステートの配合イメージとしても、ディープインパクト後継の実例からしても活躍がとても楽しみな1頭です。
シルバーステート産駒は内回りのコースで成果を残しています。阪神の工事も終わりますし、阪神、京都の内回りレースが選択しやすいのは所属的にもプラスではないでしょうか。
高価な1頭ですが、大きな成果を期待したい馬です。
No.45 マルーンドロップの2023

マルーンドロップの23は父ブラックタイド、母マルーンドロップ、母の父コンデュイットという配合の牝馬です。
母マルーンドロップは中央2勝、スカーレットインク牝系の出身です。同じ系統からはダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアンなど、G1を複数勝利する大物が誕生しています。
母マルーンドロップの産駒は毎年のようにノルマンディーで募集されており、本馬は5頭目の募集馬です。
2020年産のヴェルミセルは先日3勝クラスを勝利しました。ノルマンディーの20年産募集馬の獲得金リーディングで首位を走っています。募集価格も960万円からオープン入り、重賞挑戦というのは夢のある話です。
21年産のディアマンドロップも中央で未勝利を突破できなかったものの、地方転厩後すぐに2連勝、中央復帰を決めています。ディアマンドロップは全姉に該当しますから、この成果は魅力です。
ブラックタイドはディープインパクトの全兄ながら、スタミナと馬力に富んだタイプ。産駒にもその要素を伝えます。
母マルーンドロップは欧州の重厚な血を持つコンデュイットを父に持ちます。
父と母の持つ要素は同じ方向で整っています。父ゴールドシップの半姉ヴェルミセル、全姉のディアマンドロップも両親の方向性で成果を残していますから、この方向性が良いのだと考えられます。
芝の中長距離でタフな活躍に期待したい1頭です。
No.46 モルフェオルフェの2023

モルフェオルフェの23は父フィエールマン、母モルフェオルフェ、母の父オルフェーヴルという配合の牝馬です。
母モルフェオルフェは芝のマイル以下の競走で中央4勝をあげた競走馬です。
母の半弟にはユニコーンステークスを勝利したスマッシャーがいます。
父フィエールマンは菊花賞と天皇賞春を勝利した競走馬です。天皇賞春は連破しており、一流のステイヤーであることを示しました。
一方で3歳時には1,800メートルのラジオnikkei賞で2着に入っており、スピードもあるところを示しています。
また、天皇賞秋でもアーモンドアイの2着に入る活躍を見せており、長距離専門というわけではありませんでした。
産駒は2024年にデビューしており、年末時点で5頭が勝ち上がっています。その5頭すべてが芝で勝っており、適性は父同様に芝というイメージで良さそうです。
3歳戦が始まると未勝利戦の距離の幅も広がりますので、勝ち上がり頭数も増えてくると考えられます。
フィエールマン産駒は馬体の雰囲気が良い馬も多く、モルフェオルフェの23も良い雰囲気をしています。
母の父オルフェーヴルは三冠馬、中長距離で大きな成果を残していますが、種牡馬としてはすばらしい勝負根性を産駒に伝え、マイル、ダートでも活躍馬を出しています。
この馬で注目したいのはサンデーサイレンスの3×4×4を持つという点です。
母の父にオルフェーヴルを持つ活躍馬には、ドゥラエレーデ、コラソンビート、ナナオなどがいます。
ドゥラエレーデとコラソンビートはサンデーサイレンスのクロスに加えて、Haloのクロス持ち。ナナオは父がロードカナロアでサンデーサイレンスを持ちませんが、母がHaloクロス持ちという配合です。
サンデーサイレンスのクロスの強さが目立ちますが、母の父オルフェーヴルという観点で見た時、サンデーサイレンスやHaloの血が濃い馬から活躍馬が出ており、これは成功事例になる可能性が考えられます。
父中長距離×母の父中長距離という配合において、スピードを強化するために、サンデーサイレンスやHaloを強化し続けることはプラスに働くのだと考えられます。
母自身はマイル以下のスピードを持っていましたし、スピードの取り入れはできそうです。
良い馬体ですし、健康に成長すれば、長く活躍してくれる1頭だと思います。
No.47 ラタンドレスの2023

ラタンドレスの23は父ゴールドドリーム、母ラタンドレス、母の父エンパイアメーカーという配合の牝馬です。
募集番号37のタニノジュレップと同じ牝系に属しており、近親にはハギノアレグリアスやタニノギムレットがいます。
母ラタンドレスは中央で合計54戦して1勝。未勝利を勝って以降は苦戦しましたが、掲示板には17度入り、長くコツコツ活躍していました。
父はゴールドドリームは2017年にフェブラリーステークスとチャンピオンズカップの中央ダートG1を両方勝利し、最優秀ダートホースに輝いています。
Specialの牝系出身、かつNureyev≒Numberの3×4を持ち、心身の粘り強さがあるタイプで大箱の直線で勝ちきれるイメージの血統です。
産駒は2024年にデビューしており、5頭が勝ち上がっています。うちすべてがダートですので、ダート種牡馬と見て問題ないでしょう。
母ラタンドレスはエンパイアメーカーを父に持ちます。Fappianoの系統で、スピード能力が極めて高く、国際的に需要の高い血です。米三冠馬のアメリカンファラオもこの系統です。かつ、スプリンター型のスピードではなく、中距離向きの我慢の効くスピードであることもポイントです。
この組み合わせの場合、スピード要素を追加できるのは魅力であり、ダート4コーナー戦でも活躍が期待できそうです。
母も長く活躍したタフな馬でしたし、ラタンドレスの23には長くに渡る活躍を期待したいですね。
まとめ
中央募集馬15頭の分析を行いました。
おもしろい馬が多く、どの馬も活躍が楽しみです。
今のところ、ゴートゥートラベルの23、ポップシンガーの23、そしてハーランズルビーの23に出資申込をしようと考えています。
ただ、コスト的な部分や、私の個人的な経験の要素から、ゴートゥートラベルの23とポップシンガーの23の2頭に控えておこうとも考えています。
もう少し考えて結論を出したいと思います。
さて、本年最後の更新となりますが、今年もご覧くださり、どうもありがとうございました。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。