ノルマンディーオーナーズクラブ 21年産募集馬分析
ノルマンディーオーナーズクラブの募集馬分析を実施します。他クラブ同様に、私自身がどの馬に出資するかどうか検討した結果の共有という形となります。ノルマンディーオーナーズクラブの募集馬分析の共有は1頭ごと詳細ではなく、大枠の方向性を何頭かまとめて記事にしていきます。文章量見つつ調整します。皆さんのご参考になりましたら幸いです。
本分析は募集馬の活躍を保証するのものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にご決断ください。また、私の主観による分析ですので、読者の望まない表現が出てくる可能性もございますが、ご了承ください
ノルマンディーオーナーズクラブの魅力や、21年産募集に際しての私の方針は以下の記事にまとめています。ご興味のある方はぜひご参照ください。
※調教師リーディングのデータは2021年のもの。JRAより。
募集馬概要 サマーロコガールの21
- サマーロコガールの21
- 父:ロージズインメイ
- 母:サマーロコガール
- 母父:キングカメハメハ
- 母母父:サンデーサイレンス
- 牝系:目立つ要素は薄め
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年5月4日
- 母14歳時の産駒
- 所属予定:栗東 石坂公一厩舎
- 21年リーディング:68位
- 主なジョッキー:和田J・菱田J・福永J
- 生産:岡田スタッド
- 募集総額:1,800万円
- 一口価格:45,000円
- ダート1800mから2400mまでこなせるのではないか
- 健康にいけば長く応援し続けられるタイプではないか
母サマーロコガールは中央デビューも未勝利。名古屋競馬に移籍後に3勝、2着2回、3着2回の成績を残します。母としてはこの馬の上に7頭の産駒がおり、いずれも地方で活躍を見せています。どの父とも一定の成果を残しているのは、母サマーロコガールがマルゼンスキー→ブライアンズタイム→サンデーサイレンス→キングカメハメハとその時々の優れた種牡馬をつけ続けているからだと考えられます。牝系に大きな成果を残した馬がいないながらも、サマーロコガールの仔が堅実に走るのはこうした積み重ねが効いていると思います。17年産のバンクオブクラウズは準オープンを勝ち、名古屋大賞典・マーキュリーCの地方交流重賞で2度2着に入る成果を残しています。
父ロージズインメイはドバイワールドカップを制した馬で、1700mから2000mで活躍した競走馬でした。産駒も中央・地方の長めマイルや中距離で活躍しています。母の父としてはオークス馬ユーバーレーベンを出していて、Haloのスピードを伝えつつもスタミナも伝えるというタイプ。また、日本で流行している血がHaloくらいで、主張も強くないタイプなため、何とでも合うが邪魔しない、という印象です。
すでに全きょうだいが活躍しており、良い配合だと考えられます。Haloの4×4によるスピードと、Nashua≒Nantallahの再強化でのパワー底上げなどが期待できる組み合わせです。
つなぎは立ち気味に見えて、地方の深い砂にも対応できそうです。後躯がXな感じはしますね。歩様のリズム感はあまりないのですが、目がきりっとしていて、イケメンな印象を受けます。
厩舎は全兄・半兄と共通でこの血を良く知る石坂先生です。その辺りは育成上で安心材料となりそうですね。半兄が同じ5月生まれも2次募集だったことを考えると、半兄よりここまでの進捗が良さそうですね。
募集馬概要 ジュエリーストームの21
- ジュエリーストームの21
- 父:エスポワールシチー
- 母:ジュエリーストーム
- 母父:ストーミングホーム
- 母母父:Singspiel
- 牝系:3代母Truly Specialから仏オークス馬など
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年4月26日
- 母8歳時の産駒
- 所属予定:美浦 岩戸孝樹厩舎
- 21年リーディング:15位
- 主なジョッキー:丹内J・菅原J・戸崎J
- 生産:メイタイファーム
- 募集総額:1,480万円
- 一口価格:37,000円
- ダートの短距離からマイルが主戦場になるのではないか
- 活躍が期待できそうな好配合 距離がどこまで伸ばせるか
母ジュエリーストームはダーレーの生産馬で、中央で7戦して4回掲示板、2回複勝圏内に入るも未勝利。地方でも勝てず4歳早期に引退しています。母自身は芝の短距離成果を残しています。
3代母Truly Specialから広がる牝系は主に欧州で成果を残しており、フランスオークス馬や重賞馬を複数輩出。英・愛ダービーで3着以内に入る馬がいるなど、スタミナも兼ね備えた牝系という印象を受けます。全兄のジューンクエストはダート短距離を2勝して先日中央登録抹消となっています。
預託予定の岩戸先生は2021年に美浦・木村厩舎の馬を預かることがあり、15位入りしましたが、例年は90位前後のベテラン調教師です。ノルマンディーの馬ではギガバッケン(15年産)やファイナルマズル(16年産)やバルミュゼット(19年産)を管理されています。4,000万円超の賞金を獲得した2頭と、4,000万円超が期待できそうなバルミュゼットがおり、ノルマンディーの馬でかなりの成果を残されている印象を受けています。
木村先生の馬を預かっているときの岩戸先生のTwitterが好きで、割と見ていた身としては、岩戸先生の厩舎に所属する馬には出資してみたい気持ちが強くなっています。
父エスポワールシチーはJBCスプリントからジャパンカップダートを制するなど、スプリント戦から4コーナー戦まで対応する柔軟性があります。G1(Jpn1含む)を9勝する本当に素晴らしい成果を残した名馬です。初年度産駒のヴァケーションがJpn1の全日本2歳優駿を制し、3世代目にあたるペイシャエスが中央G3のユニコーンステークスを制するなど、地方・中央問わずダート活躍馬を出しています。
エスポワールシチーは日本ダート適性が極めて高いゴールドアリュールの産駒で、母の父にブライアンズタイム、母母父にブレイヴェストローマンがいる血統。NureyevとRoberto由来のNashua≒Nantallahの力強さを持っています。この要素を生かしていくのがポイントになるでしょう。
母ジュエリーストームはMr.Prospectorの3×4とMachiavellianとGlorious Song由来のHaloの4×4を持ち、加えてSadler’s Wellsの血を引いています。Mr.ProspectorのクロスとSadler’s Wells由来のSpecialがあることで、Nashua≒Nantallahは増強されています。サンデーサイレンスのクロス抜きにHaloのクロスも強めに発生するため、機動力とスピードに期待ができ、Never BendとSadler’s WellsによるLalunの牝馬クロス≒La Troienne パワー増強で、パワーとスピードの両方を強化できている印象を受けます。小回りのコーナーは得意とするのではないでしょうか。
Northern Dancerの血も結構入っているのですが、エスポワールシチーの母、エミネントシチーがNorthern Dancerの血をひかないため、そこで緩めることができるのもプラスです。
キビキビ歩くなあ、という印象で、胴も短めに見え、短距離からマイルくらいになりそうです。4コーナーをこなせると活躍の場面が広がるので、1800mまでのスタミナがあると期待は広がりますね。早期からの活躍を期待したい血統ではありますが、歩様のリズム感だとか、馬体の雰囲気だとかは少し時間がかかりそうな印象を受けました。
エスポワールシチーで狙うならこういう血統だよな、と思います。出資したい馬の1頭です。
募集馬概要 ディアバビアナの21
- ディアバビアナの21
- 父:ビーチパトロール
- 母:ディアバビアナ
- 母父:マツリダゴッホ
- 母母父:ショウナンカンプ
- 牝系:4代母CubataはアルゼンチンG1馬
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年3月13日
- 母7歳時の産駒
- 所属予定:美浦 奥村武厩舎
- 21年リーディング:66位(勝ち星数61位タイ)
- 主なジョッキー:岩田康J・内田J・丸田J
- 生産:ディアレストクラブ
- 募集総額:1,200万円
- 一口価格:30,000円
- 芝の長めマイルから中距離に適性がありそう
- 福島や函館のローカル重賞でのサマーシリーズで走れると理想的か
母ディアバビエナは22戦して1勝。未勝利戦では2着を6回、3着を2回と好走を繰り返しましたが、クラスの壁やピーク的な要素もあったのか、1勝クラスでは二桁着順しかとることができませんでした。母の兄弟も母同様に安定した戦績を残す傾向があり、全兄には中央3勝のディアゴッホ、全弟には重賞3着2回のカルリーノがいます。
近親に目立ったブラックタイプはいませんが、4代母CubataはアルゼンチンG1馬で、一族は大枠で見た時、勝ち上がり率が高い傾向があります。
預託予定の奥村武先生は国枝厩舎で調教助手を務められ、アパパネなどを担当されていました。天皇賞秋に挑むノースブリッジなどの活躍もあり、今年はすでに昨年の勝ち星を上回り、年々リーディング上位に上られている先生です。美浦のジョッキー起用が多かったのですが、近年は岩田康ジョッキーを起用するケースが多く、ノルマンディーの馬だとシュマンドロワ(20年産)のデビュー戦にも起用されていました。
ノルマンディーの馬では今年も募集されているタニノハイクレアの仔、エーデルメルシュを管理し、3勝をあげたのが最多賞金です。
父ビーチパトロールはここまで24頭が出走し、4頭が勝ち上がり。うち4頭とも芝での勝ちとなっています。地方で走っている馬もいるので、ダートがダメということはないでしょうが、芝の短距離から中距離まで幅広い適性を見せています。アメリカの芝で活躍した馬ですから、小回り巧者と想定していましたが、実際の成績的にも函館・福島・中山での数字が良いですね。純粋なスピードには若干不安がありそうで、洋芝適性がありそうな戦績です。
ダート競走が冬場にかけて増えてきますから、ダート成績も今後伸びてくると思います。こちらも小回りの方が良さそうですね。
ビーチパトロールはサンデーサイレンスの血を持たないこととKingmambo・Quiet Americanの血を引いていることがポイントになると考えています。Quiet AmericanはFappianoの系統で、異系の高速血統Dr.FagerとCequilloのクロスをそれぞれ3×2と4×3で持っており、スピードと柔らかさを異系要素で取り入れています。この要素を日本的にしつつ、緩くしないが配合ポイントになるのだろうと、産駒の様子を見て感じています。
勝ち馬4頭はサンデーサイレンスの血を母系に持ちつつ、Kingmamboの力強い要素であるNureyevに呼応する血を持つ傾向があります。NureyevのクロスやNashua≒Nantallahを発生させるRoberto、Specialのクロス(全兄Thach含む)は有効に機能しそうです。
この組み合わせの場合、サンデーサイレンスの要素は満たすことができつつも、引き締める要素については薄いという印象です。母・祖母がスプリンターであることが引き締める要素として機能するかどうかがポイントでしょうか。年齢的にはありえないのですが、母母父のショウナンカンプがビッグアーサーだったら印象は全然異なったと思います。
トモはまだ発展途上という感じですが、すごくバランスが良く見えます。距離も融通が利きそうで、中距離までこなして不思議はなさそうな印象です。全体的にまだ成長する余地が残されている印象で、馬格が出てくるとより見栄えがよくなりそうですね。
まとめ
機能に続けて4から6です。すでに出資したい馬が2頭いて、ノルマンディーおもしろいなあと思います。価格的に手を出しやすいことも、そういう気持ちにさせる要素となっていますね。
1から3については以下の記事をご参照ください。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。