種牡馬ニューイヤーズデイ NEW YEAR’S DAY の分析

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種牡馬ニューイヤーズデイの分析

 2023年最初の種牡馬分析はニューイヤーズデイとさせていただきます。リニューアルが順調に進めば、この馬の記事を最初に投稿する予定でした。新年なので。(本当にそれだけの理由)

 ニューイヤーズデイは2011年産で、2歳で故障引退。2014年より北米で種牡馬生活をスタートさせます。その後、2019年より社台スタリオンで繋養され、2020年から種付けを開始。2023年より日本での産駒がデビューします。
 北米で残した2世代目の産駒より、マキシマムセキュリティ (Maximum Security) が出ています。マキシマムセキュリティは2019年のケンタッキーダービーで1着で入選するも、進路妨害により17着に降着となりました。こうした降着や、管理調教師の競走馬への禁止薬物投与などのトラブルにマキシマムセキュリティは米G1を4勝し、サウジカップに勝利するなど大きな成果を残しました。その後、マキシマムセキュリティは2020年に種牡馬入り、2022年には初年度産駒が誕生しています。

 ニューイヤーズデイはすでに北米で成果を残しており、日本競馬に大きな影響を与えているMachiavellianの血を引いていることからも、日本で成果を残す可能性が高い種牡馬だと考えられます。
 2022年,23年の種付け料は250万円と、比較安価な部類であり、一口馬主として出資するに際して、安価で良い馬に出資できる可能性のある種牡馬だと考えられます。今年の募集に向け、備えたいと思います。

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 当ブログにおける種牡馬の分析は、一口馬主として出資をする際のねらい目を考えるためのものです。馬券的な分析ではございません。また、活躍の保証はできませんので、最終的な出資の判断はご自身にて実施するようお願いいたします。

動画版公開しました

 ブログ記事よりややライトな動画版をYou Tube「シオノゴハンチャンネル」にアップしました。ご視聴&チャンネル登録していただけますと幸いです。

【一口馬主】種牡馬 ニューイヤーズデイ New Year’s Day の分析 出資検討用分析

ニューイヤーズデイの競走成績

 ニューイヤーズデイは北米で走った競走馬です。3戦2勝、3着1回です。BCジュベナイル(G1・ダート1,700m)を勝利しています。3戦はいずれも2歳時で、その後に調教中に故障し引退しています。現役生活は2歳までだったため、マイル戦までの経験でしたが、産駒の様子からはクラシック戦線も走れたのではないかと推測します。

 BCジュベナイルを制したように、仕上がりの早さとスピード能力の高さが伺えます。日本の芝馬は細身でキレ味のあるタイプが多い反面、クラシック戦線で活躍するためには筋力的強さが不足する傾向があります。ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒のクラシック活躍馬に北米血脈が多いのはこうした背景があるでしょう。裏を返せば、これらの肌を持つ繁殖に有効な血になる可能性が高いともいえるでしょう。

ニューイヤーズデイの血統分析

NEW YEAR’S DAY
  • HyperionとBold Ruler(Nasrullah)による大箱向きかつ勝負強さのある血
  • Haloのスピード要素と馬自身の低重心・パワータイプ的な要素も持つ

 ニューイヤーズデイは歴史上最高クラスの名牝ゼニヤッタとウィンクスを出したストリートクライ(Street Cry)を父に持ちます。そのストリートクライは、日本競馬にかなり好相性の血を持っています。
 まず、ストリートクライの父Machiavellianはハルーワスウィート・ホワイトウォーターアフェア・ソニンクの父としても知られます。母の父として5頭のG1馬、母の母の父として3頭のG1馬を輩出しています。

 MachiavellianはMr.Prospectorの直仔であり、母の父にはHalo、3代母にNatalmaを持ちます。Mr.Prospectorは世界的大種牡馬ですが、北米出身らしい軽くて速い血です。そこにHaloの母CosmahとNatalmaが入ることで、底力が上乗せされています。Natalmaが入りますから、Northern Dancerとの相性も良く、Machiavellianはスピード要素を産駒に伝えつつ、Northern Dancerと呼応して底力を引き上げることができているのだと考えられます。

 ストリートクライの母Helen StreetはHyperionを含むスタミナ要素と、Nasrullah血脈が入ります。Hornbeam・Riverman・Boulevardの血があるため、トニービン・キングカメハメハ・ネオユニヴァースと相性の良い血だと考えられます。

 ニューイヤーズデイの父ストリートクライはMachiavellianとHelen Street由来のスピード要素と勝負強さを持っていると表現して良いでしょう。

 ニューイヤーズデイの母Justwhistledixieは北米G2を2勝。G1で2着の実績を持ちます。産駒にはニューイヤーズデイ以外にも3頭の重賞馬がおり、Justwhistledixieは競走馬としても繁殖としても優れた母です。牝系は辿るとIcecapade・Ruffian・Buckfinderなどを出したShenanigansが出ています。Justwhistledixieの牝系は北米的なスピードと力強さに富んでいます。
 母Justwhistledixieの父はDixie Unionです。

 Dixie Unionの父Dixieland Bandは母系にHyperion要素を持つタイプのNorthern Dancer直仔です。Nureyev・Sadler’s Wells・ノーザンテーストと相性が良いと推測できます。母系はBold Ruler(Nasrullah)の血が濃いため、Hyperion+Nasrullah要素の強い血だと言えます。

 改めてニューイヤーズデイの血統を分析すると、NasrullahとHyperion要素が強く、大箱向きのストライドと勝負強さを持ち、北米的なスピードとHalo的な日本適性を持っていると推測できます。

 実馬の雰囲気は重心が低く、力強いスピードタイプな印象があります。大きなストライドで走りそうな雰囲気というより、ピッチの効いた機動力のあるタイプに見えます。母系とかみ合い、ストライドと駆動力が両立するタイプの産駒が出ると、大物が誕生するのではないかと考えられます。

代表産駒マキシマムセキュリティ (Maximum Security)

 ニューイヤーズデイの代表産駒であるマキシマムセキュリティより、活躍のポイントを考えてみようと思います。

 マキシマムセキュリティは12戦8勝、うちG1を4勝。サウジカップ勝ちやケンタッキーダービーの1着入選降着があります。この実績からも、長い直線を苦にせず、大舞台での勝負強さを持っていたことがわかりますし、早期からの活躍が期待できそうなことも見えてきます。

 マキシマムセキュリティの母の父Anasheedは父A.P.Indyに母の父Nureyevです。A.P.IndyはBold RulerとPrincequilloの柔らかくストライドを伸ばせるタイプの血です。そこにNorthern Dancer+Hyperionの要素が強いNureyevですから、ニューイヤーズデイの持つ要素をそのまま素直に継続的に強化しています。また、NureyevはNantallahの血を持ち、Mr.ProspectorのNashuaとの間に力強さを増強するニアリークロスを発生させます。また、マキシマムセキュリティの母系は北米のパワー要素を強く持っています。

 これらの要素より、マキシマムセキュリティはニューイヤーズデイの持つ軽く柔らかいスピードも強化しつつ、引き締める要素としてのHyperionと北米パワーの両方を強化できています。ニューイヤーズデイの持つ要素の両方をバランスよく強化した結果生まれた名馬だと考えられます。

 上記より、日本においてもニューイヤーズデイ要素を強化することを念頭に産駒を選んでいくと良いと考えられます。

ニューイヤーズデイと好相性の血を考える

  • HyperionとNasrullahを継続強化
  • Haloのスピード要素を生かすことで日本適性を向上させる

 ニューイヤーズデイは魅力的な血を多く持っており、その血を継続的に育むことが良いと考えられます。ニューイヤーズデイらしさを引き出せる血を持つ繁殖牝馬との産駒を狙っていくと良いのではないかと考えます。

 まず、HyperionとNasrullahといえば、トニービンが思い浮かびます。トニービンとHelen Streetはニアリーな血を持っていると言え、ニューイヤーズデイの持つ要素を強化することができます。そこに加えて、Hyperion要素やHalo要素、北米要素を加えると、より「らしさ」を引き出せると考えると、Hyperion方面ではエアグルーヴ、Haloと北米要素ではハーツクライがあげられます。

 エアグルーヴ牝系の繁殖や、ハーツクライを肌に持つ繁殖との産駒は注目です。ハーツクライ×Machiavellianでシュヴァルグランが出ているように、ハーツクライ産駒との相性はかなり高いのではないかと考えられます。

 キングカメハメハはMr.Prospector・Nureyev・Never Bend(Mill Reef)・Hornbeamを持ち、ニューイヤーズデイの持つ要素をまんべんなく強化することが期待できます。両親にキングカメハメハとエアグルーヴを持つルーラーシップは特に注目の組み合わせではないでしょうか。

 異なる方向性では、Boulevardの牝馬クロスとHaloクロスが生じるネオユニヴァースとの組み合わせでしょうか。ネオユニヴァースはその牝馬クロスに加えてHyperion要素も持ちますから、ニューイヤーズデイらしさを引き出すことができるでしょう。ネオユニヴァース×Machiavellianからはヴィクトワールピサが出ており、この組み合わせも成功する可能性が高いのではないかと考えられます。
 また、母の父にそのヴィクトワールピサを持つパターンでは、Machiavellianの3×4が発生するのもおもしろい組み合わせとなると考えられます。

 ニューイヤーズデイの持つHyperion要素の刺激の仕方で考えた時、Nureyev由来である場合はNasrullah≒Nashuaのニアリークロスが発生するため、ダートへの適性が高まると考えられ、トニービン、ノーザンテーストやSadler’s Wellsによる刺激の場合は芝への適性が高まるのではないかと考えます。この辺りは、北米要素がどれくらい入るかにも左右されそうです。
 Machiavellianの血は牝馬に活躍馬が多く出ている傾向もあり、大物は牝馬から出てくる可能性はあるのではないか、とも思います。

まとめ

 ニューイヤーズデイはその「らしさ」を継続的に強化している産駒から活躍馬が出てくるのではないかと考えられます。上記で紹介したタイプ以外では、ステイゴールド肌の馬や、ゴールドアリュール肌の馬からも活躍馬が出てくるのではないかと思います。

 2022年産の馬をざっと見た時、これだ! という馬は何頭かいるものの、セリで取引済みの馬も多く、募集に回ってこなさそうだな、とも思っています。縁あってドンピシャな馬に出資する機会が得られそうな場合、2023年募集で出資申込をしたいと思います。もちろん、その先でもチャンスがあれば狙ってみたい種牡馬です。

 最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。

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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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