シルク募集馬配合分析 カルディーンの20
No.37 カルディーンの20 牝馬 5月3日生
父 | レッドファルクス |
母 | カルディーン |
厩舎 | 美浦 高橋文雄厩舎 |
一口価格 | 28,000円 |
配合からの期待度:未勝利リスクあり
7番仔です。母ミスティックリップスは2歳と3歳でアルゼンチン牝馬チャンピオンを獲得した名馬です。一族も優秀でアルゼンチンチャンピオンスプリンターや牝馬チャンピオンがほかにも出ています。一方で、産駒は今のところ中央未勝利となっています。競争成績に対して、不本意な状態といえます。
これまで、上はサンデーサイレンス系種牡馬をつけており、今回初めてMr.Prospector系に切り替わり、初めて牝馬の産駒となっています。上がキレ不足やスピード不足に悩んでいた場合、この系統代わりと牝馬代わりはチャンスになるかもしれません。
カルディーンの20の血統表
フォーティナイナー系×Mr.Prospector系は勝ち上がり率34%ほどです。フォーティナイナーもMr.Prospector系種牡馬ですので、同系統ラインブリードとなります。この場合、産駒は短距離からマイル、ダート寄りに出ています。
父レッドファルクスはスプリンターズSを連破した実績のある短距離馬です。デビュー当初は芝で使われましたが、以降の勝ち上がりはダートで、準OPとOPのダートレースで勝利経験があります。スタートと同時に全速力で走り切るというザ・スプリンターというタイプではなく、脚をためて直線一気のキレ味を見せる馬で、短距離路線で活躍した馬としては珍しいタイプです。フォーティナイナー系の中でも、エンドスウィープは距離に融通が利く柔らかなタイプかつ、母系の魅力を引き出すタイプで、その特性をレッドファルクスも受け継いでいると考えられます。
母父Roman Rulerは米国ダートマイル路線で活躍した馬です。Silver DeputyがMr.Prospectorの血を持つため、Mr.Prospectorの2×4という強いクロスを持っています。そこにDanzig・Deputy MinisterというNorthen Dancer系の中でもパワーとスピード的な要素が強い血を引いています。米国的スピードがかなり集まった血の印象を受けます。
父レッドファルクスも、母カルディーンもDamascusの血を持っています。DamascusはTeddy系種牡馬で、米国的なパワフルさを産駒に伝えます。同時に、DamascusはBlue Larkspurのクロスも持っており、ヒムヤー系のスピードも併せ持っています。
母カルディーンはアルゼンチンで活躍しましたが、アルゼンチン牝系は決して軽いスピードに富んでいるわけではありません。カルディーンもスピードに富んだ血を持っていますが、米国的なパワーも同時に持っており、その影響が強くなっているからか、日本の芝適性を高めることができていなかったのが、これまでの産駒傾向だったのではないでしょうか。
今回父がサンデーサイレンス系からレッドファルクスというフォーティナイナー系種牡馬に代わります。これにより、中途半端な日本芝適性から、反主流的な方向性にかじ取りができたかもしれません。
父レッドファルクス×母カルディーンだと、Mr.Prospectorの5×4×6が発生します。Damascusの5×4、Haloの4×6も発生し、両親の持つ血を上手に掛け合わせているような印象を受けます。どちらか片方が強烈なクロスを持っている、という形ではなく、両親の持つ血をいい感じにブレンドしたイメージでしょうか。サンデーサイレンスの血は入っていますが、その血を刺激せずにそのほかのスピード血脈を生かして、日本的でないスピードを表現していると考えられます。そのため、サンデーサイレンス系が活躍しにくい環境のレースで活躍が期待できます。
馬体を見ると5月生まれのわりに前駆がゴリっとしていて、Damascus感があります。歩様も力強く踏み込んでいるように見えます(あまり自信はありませんが) 4角からまくり上がってきて差し切る競馬が見れるかもしれませんね。
まとめ
- 母や一族は競走成績はかなり優秀も産駒未勝利
- 父系統代わりと牝馬代わりはプラスに働きそうな配合
- 馬体も良さげ 低価格なので未勝利リスクも覚悟で出資はアリ
配合と馬体からはこうした印象を受けました。ノーマークでしたが、なかなか面白い1頭です。5月生まれでレッドファルクス産駒なので、晩成でしょう。勝ち上がれるかどうかですが、勝ち上がれれば長く活躍を期待できると思います。